Run and Gun

ひたすら書く。

今年の映画ベストテン2019

今年映画館で観た映画は101本。

これに加えてNetflixの今年公開の新作オリジナル映画も11本観ているので、計112本から選んだ今年のベストテン。

 

去年から本数が減っているように見えるかもだけど、とにかく今年は旧作観たなあと。

新作・旧作観た本数なら圧倒的に去年より観てるはず。

けど、ベストテン選ぶならやっぱ新作だよね。

 

10位 ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた

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9位 マリッジ・ストーリー

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8位 EXIT イグジット

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7位 劇場版 そして、生きる

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6位 ブルーアワーにぶっ飛ばす

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5位 愛がなんだ

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4位 バーニング 劇場版

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3位 魂のゆくえ

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2位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

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*1

1位 チワワちゃん

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ここ数年で一番悩んだかもしれない。

アベンジャーズ/エンドゲーム』を入れるかどうか迷ったんだけども、なんか今の自分のモードはそっちじゃないなあという感じで外した。

ちょっとエモい作品に寄りすぎている気もするけど、そういう映画でイケているの多い1 年だった気もするし、いいんじゃないでしょうか。なんて。

 

で、今年はドラマもいろいろ観たんで特にアガった5本…ではなく6本*2を順不同で挙げておくと

日本テレビ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』*3

Netflixストレンジャー・シングス』シーズン3

Netflix『全裸監督』シーズン1

Netflix『セックス・エデュケーション』シーズン1*4

Netflix『このサイテーな世界の終わり』シーズン2

Amazonプライム『ザ・ボーイズ』シーズン1

*5

 

来年も楽しい映画やドラマをいっぱい観たいものです。

というか、去年末に今年はブログ書きたいとかほざいときながら全然何も書いてないので、来年こそは…。

 

*1:Twitterの「彼らが託した/俺は皆が見た夢なんだ」はこの曲からの引用。

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*2:選びきれず。

*3:森七菜演じる堀部瑠奈の「ガルムフェニックスだぁ〜!」マジ最高!これは伝えておきたい!!

*4:年明けのシーズン2が待ちきれない!!

*5:2020/01/05追記

後になって見返すとこの2作品考慮に入れてなかったなあと今更後悔し始めたのでしれっと挙げておくと

BSスカパー『I''s』

Amazonプライム『モダンラブ〜今日もNYの片隅で〜』シーズン1

映画『チワワちゃん』が良かった件。

今年の映画もいろいろと見始めているが、『チワワちゃん』が素晴らしかった。

 

chiwawa-movie.jp

 

 

時制をぐちゃぐちゃにしながら、フレッシュな演出(EDM!)とクラブミュージックで揺らしにかかる前半から、各人の証言から「チワワちゃん」についてドラマ的展開で掘り下げていく後半まで、すごく見応えがあった。

その証言も各人で全く違うことを言っていたり、いかにもミスリードっぽい発言が最後までスルーされたりするので、「あっ、これ主題は犯人探しじゃねえな」というのを演出だけで見せて行くのも、なかなかチャレンジングだけど成功していると思う。

 

何より、チワワの栄光とそのセンスを証明するかのようなダンスシーンで流れてくるのがPale WavesのTelevision Romanceだというこのセンス!*1

一瞬だけ流れる場面も含めて3回劇中で流れるが、そのどれもがインパクトを残している。

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あと、地味なところだけど、Instagram、LINEとしっかり現実のSNSの名前をしっかり出してそのやりとりをしっかり画として見せてくれるのがすごい真摯だなと。すごく作り込んでるのにSNSが架空でガッカリするパターン、邦画にありがちだし。

 

 

映画を観た後に、岡崎京子氏の原作漫画も拝見したが、原作も凄く読み応えがあった。1994年の作品とは思えないくらい、今見ても色あせない。2019年に読んでも、古臭いと思う感情がない。*2

また、映画自体も原作の主題をしっかり理解した上での肉付けが多いのも認識できた。まず、このメンバーがなぜ団結していったか、としての600万→パーティシーンの追加。

あと、映画後半の各自のインタビューシーンは、原作ではかなり唐突に放り込まれる印象が強いのを補完するために「なぜインタビューをするに至ったのか」その理由づけとしての栗山千明演じる編集者の使い方もそうかな。

 

他にも細かい部分でいろいろな差異があるが原作と大幅に違うところといえば、村上虹郎演じるカメラマン・ナガイのキャラクター造形だろう。

原作では手慣れなゆるーいプレイボーイだった彼を、映画では見た目はそのまま、純粋にチワワに片想いする男に置き換えている。*3

短編漫画を長編映画にバージョンアップするにあたり、片思いしている相手をひたすら見つめる彼の視線が、この物語に新しい深みを与えていると思う。

彼が浅野忠信演じるサカイといるチワワに話しかけに行くシーンは「お願いだから無事に終わってくれ!」と思わざるを得なかった。あと、ポスター持って帰るシーンも最高だった。

 

他のキャスト陣もとにかくよかった。おそらく(年齢的に)今後はもうこういう役はできなそうな門脇麦横綱相撲。*4

そして、チワワちゃんを演じる吉田志織の存在感。裏表がないのか、あるのかイマイチよく分からない感じが巧く出ていた。だからこそ、後半の証言シーンで翻弄されまくった。まんまと。

極め付きは今日本でクズい若者をやらせたら断トツナンバーワンの称号をほしいままにしている成田凌*5

門脇麦と、ほぼ初めて2人で向き合うあのシーン、本当に気持ち悪かった。本当に。

 

あと、原作でも唐突にラストに出て来て物語の綺麗にクロージングさせるクマ役を松本穂香が演じているが、ほんの数分の出番で、このチワワちゃん含む集団の総括をしっかりやり切っているのはなかなか熱かった。

 

そしてエンドロールで爆音で流れる『僕らの時代』。

もしかしたら、この映画を見て「何も解決していない」「ただただよく分からない映像を見せられただけ」という人もいるかもしれない。

一言こう言いたい。「そもそも、我々の毎日って未解決事件だらけじゃないっすかね?」

 

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*1:去年のサマソニでライブも観たけど演奏がとても沁みた。ほとんど曲知らなかったのに。

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*2:流石に言い回しとか、「モデル」の例として描かれているポスター画像とかは時代を感じますが。

*3:そして、原作での立ち位置は原作ではチョイ役だったハラダにほぼそのまま託している。これも上手い改変。

*4:直近だと『ここは退屈迎えに来て』でもそうですけど、この人は本当に嫉妬している役が巧い。話の本筋を逸らしすぎないくらいの嫉妬。

*5:ここは退屈迎えに来て』『スマホを落としただけなのに』を参照。

今年の映画ベストテン2018

今年劇場で観た映画は105本。

これに加えてNetflixの新作オリジナル映画も12本観ているので、計117本から選んだ今年のベスト10。

旧作とか未公開作もそれなりに観たりできたので、とても良い1年だったなーって感じ。

 

10位 孤狼の血

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9位 悪女/AKUJO

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8位 カメラを止めるな!

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7位 アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

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6位 ウィンド・リバー

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5位 フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』観た。貧困層の話ですが、主要人物はひたすら口が悪い。だけど、下品な作品になってないのは上品な画作りと圧倒的ウィレム・デフォー。カラッとしている雰囲気もいい。魔法がかかるラストまで目が離せない。

 

4位 レディ・バード

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3位 ROMA/ローマ

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2位 ここは退屈迎えに来て

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1位 寝ても覚めても

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年間100本以上観てると「これもない」「あれもない」状態になるのは仕方がない状態なのであくまで参考程度にしていただければ。

 

今年はドラマもいろいろ観た1年で、民放の連ドラだと『アンナチュラル』『獣になれない私たち』の野木亜紀子脚本物件にはまりまくった印象が強い。

あと海外系だと何と言っても『アトランタ』!それと『ブラック・ミラー』も全シーズン一気見してどれも見逃せない出来だったのも記憶に新しい。

あと、『LOVE/ラブ』のファイナルシーズンも。これは予告編も最高なんだよなー。

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ま、こんな感じで来年も面白いものをあれこれいっぱい観られたらな。

あと来年はブログというか、長めの文章をもっと書きたい。Twitterに慣れてしまって140字にまとめることばっかり巧くなっている気がするし。

『寝ても覚めても』という映画体験

だいぶ前に観た映画だが、寝ても覚めてもがとても良かった。
エンドロールを見終えて席から立ち上がれなかった映画は久々だった。

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詳しいあらすじはもういろんなところで延々と語られているので割愛するが、姿形の似た2人の男を過去と現在と未来の間で揺れ動く女性を描いているとでも言えばいいだろうか。
うまく言葉にするのがとても難しい話だけど、要は選択と行動の話で、すべての流れていく人間関係への鎮魂歌のようなものだと解釈している。

 

突然だが、よく映画の感想として「感情移入できないので好きじゃない」というワードが出てくることがあるが、個人的には感情移入ってそんなに大事か?と思うことがあって。

映画の登場人物が観ている客の意思通りに動いてくれる訳なんてないじゃんと思っている人間なので、むしろ「なぜそう考えたのか?」を深掘りしていくことが映画を観る醍醐味なんじゃないかなと思っている。

もちろん、自分でもこうしたんだろうな、となることも多いけれども。自分の想いとスクリーンの中の行動が一致した時の高揚感は説明するまでもないが、相反した時の予想外の転がり方に心を動かされてしまうことも同じくらいある。

 

話が逸れてしまったが、この「寝ても覚めても」を観ていて考えたのは理屈とは全く別のところで動いてしまう人間の悲しい性のようなものと、それすらすべて含めて人生なんだという力強さのようなもの。

多くの人が指摘しているように、終盤に向かっての朝子の行動に嫌悪感を示す人も多いだろう。5年という月日を経て、なぜ過去のキラキラした思い出の中の人に逃避してしまうのか。そう考えてしまうのも無理はない。

だけど、実は気持ちは分からなくないところもある。理屈だけであれば、あそこでしっかり亮平を選んで、正しい結婚をして正しい生き方をして正しい最期を迎えるのが正しいんだろう。だけど、この世界はそんなに単純じゃない。

正しくないことを自ら進んで選んでしまうことはないか。少なくとも自分にはある。だから、どうしても、この映画を愛しく思ってしまうのである。

 

我々にだって1つや2つ、「あのときあそこでああすべきだったな」ってことはあるだろう。この映画はそれをものすごく極端に描いているように感じる。

その選択で失う友人もいる。愛も失う。何かを背負わないといけないのかもしれない。でも、それでも、まだ諦めきれないようなものもある。

それが最後の長回しのシーンが表してくれている。間違いを許容するわけでも、突き放す訳でもないあの時間。

 

この映画は、今まで起きたことを川に例えるラストへ繋がる。

「きったねえ川」「だけど、きれい」このやり取りで話は幕を閉じる。
tofubeatsの素晴らしい曲に乗せて観客は自分の川に想いを馳せて帰途につくことになる。
本当に素晴らしい映画体験だった。

 

netemosametemo.jp

今年の映画ベストテン2017

今年映画館で観た新作映画は95本。

個人的に思うところもあり、旧作やNetflix等のドラマを観るのに割く時間を増やしたので本数という意味ではここ数年では一番少ない結果となった。

Netflixオリジナル配信の新作映画も今年10本観ているので、そちらも考慮したうえでのベストテン。

今年は、例年通りの予告編に加えてTwitterでの鑑賞直後の感想と併せてまとめることにした。

 

10位 gifted/ギフテッド

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9位 ローガン・ラッキー

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8位 あゝ、荒野 後篇

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7位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

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6位 HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF THE SKY

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5位 20センチュリー・ウーマン

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4位 バンコクナイツ

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3位 ムーンライト

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2位 君の膵臓をたべたい

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1位 マンチェスター・バイ・ザ・シー

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個人的な次点としては邦画だと『愚行録』、洋画だと『ビフォア・アイ・フォール』*1を挙げたい。

それにしても、愚行録は終盤のあのくだり*2さえなければベスト級だよな。。

 

あと、映画じゃないが今年はNetflixのドラマが熱かった。

ストレンジャー・シングス」

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))「マスター・オブ・ゼロ」「ハノーバー高校落書き事件簿」「ラブ/LOVE」がお気に入りだった。

あともはや義務として観ている「フラーハウス」も。

 

来年も面白い作品といっぱい出会えますように。

 

*1:いつ日本公開かなーと待っていたらNetflix独占で配信されていたやーつ。

*2:完全にネタバレだが、衝撃を与えるためだけに近親相姦に改変するとは。。

Base Ball Bear「光源」を聴いていろいろ考える

Base Ball Bearの新譜が出た。 
ひとつ、今までとは大きく違う部分がある。
ギターの湯浅将平が脱退して初めてのアルバムということだ。"夕方ジェネレーション"以来、すべての曲のリードギターを引いてきた彼の不在。
それに伴い、基本的にはギター2本、ベース、ドラムで成り立っていたベボベは方向の転換を余儀無くされ、今作ではシンセやブラスを部分的に導入している。

 

前作「C2」について、2週目に入ったという書き方をしたが、今作「光源」を聴いて、その思いは一層増した。1週目の2ndに当たる「十七歳」と「光源」は近い部分があると思うからだ。
「十七歳」は小出祐介がのちに師匠と呼び慕うことになる玉井健二氏と出会い、先輩プロデューサーから楽曲の構成作りの基礎を学んだ上で作られた、青春にフォーカスを当てた作品だ。
そして「光源」は湯浅というギタリストの不在に遭遇し、それを逆手にとって今までとは違う方法論で作られた「時間と青春」をテーマにした作品だ。
出会いと別れの違いこそあれ、今までベボベとは違う方法論で作られたのは共通しているように思う。*1
青春の中にいたあの頃とその先にいる今の対比という意味でも、なんとなく近いものがあるのではないかと思っている。

 

では、肝心の今作「光源」の内容はどうか。

描かれているのは、まぐれもなく青春の話である。
もっと突っ込んで言えば、時間が経とうが変わらない青春の話だ。
この作品での青春の描き方はいつも今から前、もしくは先のことに言及して進んでいる。
最初の2曲は"あの日"に言及しているし、「Low way」〜「(LIKE A)TRANSFER GIRL」〜「寛解」の流れは3曲すべて"明日"という歌詞を含んでいる。逆に、「SHINE」以降は過去を振りかえる描写が増えていく。
でも、すべて曲において根源、いや光源にあるのはやはり青春なんだと思われる。

 

そして、前作の際も書いたが、ベボベのアルバムは毎回終盤の作り込みが半端ない。今作でもそれは例に漏れずである。
「SHINE」〜「リアリティーズ」〜「Darling」の流れは何度聴いても唸ってしまう。
「SHINE」は今までのベボベが描いてきた青春に映画版の「溺れるナイフ」 のようなギリギリの危うさを足したような曲だ。*2
"生きている"と"生きていた"の対比に唸るしかなかった。いくら馴染めなくても、そして時間が経って馴染んでしまっても、忘れられないものはあって、それが我々の起点なんだと歌っているような気がしてならない。

「リアリティーズ」は今自分がいるところから出ていくことを促す。あの頃の青春にもその先の現実にも居場所がないと思ってしまう我々に出て行けと謳う。果たしてどの視点からなのだろうか。未来の自分なのだろうか。
そして「Darling」へと続く。いろんなオマージュが入り混じる中で、幾億秒先から"君"への想いを綴る。
結局のところ、1曲目の「すべては君のせいで」に戻る。なんて綺麗なんだと思ってしまった。

 

良いアルバムだと思う。

青春か、青春じゃなくてもそれぞれの光源のようなものを自覚している人には確実に刺さる作品だろう。
「二十九歳」や「C2」のような問題提起が無いからこそ、"じゃあ、自分の光源は?"と考え込んでしまう。
でも、我々が今考えていることも含め、すべて鳴り響いていって、今日も決められたパラレルワールドに進んでいってるんだろうけど。

 

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*1:ちなみに「光源」にも玉井健二氏はプロデューサーとして参加している。

*2:実際、映画版「溺れるナイフ」から影響を受けているんじゃないかと思う。

今年の映画ベストテン2016

今年劇場で観た映画は112本。

そちらから選んだ今年のベストテン。

個人的には下半期に好みの映画が多かったので若干偏っているかと思う。

今回も予告編とセットで。

 

10位 ディストラクション・ベイビーズ

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9位 アメリカン・スリープオーバー

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8位 私の少女時代 Our Times

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7位 淵に立つ

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6位 溺れるナイフ

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5位 シング・ストリート 未来へのうた

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4位 エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に

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3位 ちはやふる 上の句

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2位 無垢の祈り

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1位 すれ違いのダイアリーズ

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選んだ当人が言うのもなんだが、何か雑食感が目立つ10作品になったな。。

来年も選り好みせず映画観なきゃね。