Run and Gun

ひたすら書く。

今年観た映画ベストテン2021

今年映画館で観た映画は79本。

配信で観た2021年の新作映画が36本(うち22本がNetflixNetflixに頭が上がらない)。

合わせて計115本から選んだ今年のランキング。

 

10位 ドライブ・マイ・カー

 

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3時間の上映時間で、最初の40分をプロローグに費やすという作りに痺れた。

丁寧な脚本と舞台の描写にもやられた。

 

9位 パワー・オブ・ザ・ドッグ

 

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ベネディクト・カンバーバッチが凄い。

主人公の持つ複雑な感情に共感してしまうんだよな。共感する要素なさそうなのに。

 

8位 Summer of 85

 

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想像以上に、とても切ない映画だった。

切ない、夏の映画。

 

7位 あの子は貴族

 

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あの頃の自分たちの話でもあって、知らない世界でもある。

バランス感が絶妙。

 

6位 花束みたいな恋をした

 

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こんな世界に憧れる人間でいたかったがそれもまた昔の話。

「みんなそうだよ」なんて言えなくなってしまったから。

 

5位 明日への地図を探して

 

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イムループ映画だけど、その原因が新しい。

ティーン映画でSFを取り扱う作品の金字塔になったと思う。

 

4位 街の上で

 

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下北沢にあこがれていた。気がする。

集合シーンが大好き。

 

3位 ひらいて

 

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この題材で、ここまでエモさを抑えて真摯に演出していると思う。

だからこそラストのあれとあれが響く。

 

2位 逃げた女

 

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ホン・サンスが撮る会話劇はいつも響くがこれは特別。

会話なんて、ただの自分の確認作業なのかもしれない。

 

1位 サマーフィルムにのって

 

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向き合う瞬間からすべてははじまる。

 

 

以下、泣く泣く落とした5作

まともじゃないのは君も一緒

パーム・スプリングス

ノマドランド

少年の君

アナザーラウンド

 

そしてこちらも恒例ドラマ部門。

今年は20作以上観たので、そこから10作品に絞ってみた。(順不同)

 

ワンダヴィジョン(Disney+)

マンダロリアン シーズン2(Disney+)

マスター・オブ・ゼロ シーズン3(Netflix

息をひそめて(hulu)

大豆田とわ子と三人の元夫(関西テレビ

お耳に合いましたら。(テレビ東京

今際の国のアリス シーズン1(Netflix

コントが始まる(日本テレビ

竹内涼真の撮休(WOWOW

セックス・エデュケーション シーズン3(Netflix

 

来年はどうだろう。

映画館に行くのは今までのペースで旧作ももっと観ていきたいな。

観たいものを楽しく観たい。今年みたいに。

映画『サマーフィルムにのって』~向き合う瞬間からすべてははじまる

1席ずつ空いてはいるが、売っている席的に満席の渋谷ホワイトシネクイントで

『サマーフィルムにのって』を観て、観終わって、なかなか立ち上がれなかった。

自分に突き付けられているような、そんな気がして。

 

久々になりましたが、ネタバレ全開で雑多な殴り書きを。

書きたい順に書いていくから映画見てないと意味不明だろうけど、そんなん知るかって気持ちで書くのでご了承を。

 

phantom-film.com

 

どう考えても青春映画とか思えないポスターで、内容も青春映画なのだが、題材が時代劇で、SFで、恋愛もので、誰がどう考えたらこんな話が生まれるんだとしか言えないストーリーで終始ワクワクしっぱなしだった。

何かを敵にして賞賛を手にする映画にも好きなものはそれなりにあるけど、この映画は敵さえも味方にして、とんでもない熱量で、殴りかかってくる作品だった。

 

劇中で「映画部の毒され青春キラキラムービー」という言葉が出てくる。

どのシーンを観ても恋愛まみれで、3分に1回は「好き」が出てきて、キュンキュンして。

制作陣はみんなお揃いのTシャツを着て、自画自賛している感じ?

「毒され青春キラキラムービー」も大好きな自分でも、主人公が彼らを敵視する気持ちに寄り添いたくなってしまう。

でも、この映画はキラキラした奴らをそのまま下げて終わるような話じゃない。

 

彼らの映画に出る予定だった役者が病院に運ばれてしまったときに手を差し伸べる主人公たち。

主人公たちが1日で膨大なシーンを撮るしかなくなったときに手を差し伸べるのはキラキラ映画部だ。

 

表と裏のように、キラキラした恋愛映画と若者を描いた時代劇がリンクしていく瞬間に心奪われた。

映画は映画だ。

気持ちを込めて作られたものの根本にあるものは同じだと言わんばかりに。

*1

 

思い返してみると、時代劇を撮り始めた7人は間違いなく「キラキラ」している。

めっちゃ長回しの撮影シーンなんてまさにそうで。

キラキラをいくら否定したとしても、キラキラは追っかけてくるんだと思う。*2

 

ラストシーン、主人公のハダシは「さようなら」を言わず、ラストバトルを避ける結末を文字通り“無理矢理”書き換える。

キラキラと向き合い、大切なものと向き合い、大切な仲間と向き合い、前に進んで、ラストバトルに挑む。

観ている我々に「好きなもの」すべてに立ち向かえと言ってくるように。

 

僕は『リンダ リンダ リンダ』のラストシーンの「言えなかった」というセリフが大好きなのだが、ここ数年で、このセリフに対して本当にいいのかと思い始めた部分もあって。

言わなきゃダメなんじゃないかと。

『サマーフィルムにのって』自体も『リンダ リンダ リンダ』の影響を受けていることは監督も公言しているので、「言えなかった」に対するひとつの答えとして観ることもできるなあ、なんて。

でも、改めて考えると別に「言えなかった」のが間違いではないんだよな。*3

奥が深い。

 

まんま『夏への扉』みたいな*4タイムリープの使い方も悪くない。

むしろ、タイムリープに気付いたことをミスリードに使うのは巧いなーそれは分からんわーとなった。

 

あと、この手の「映画を作る映画」で編集するくだりをあんなに効果的に使っているの、初めて観たな。

夜中に疲弊したときに見る恋愛映画は沼だから…なんて思いながら観ていた。

 

役者陣も文句なくよかった。

『佐々木、イン、マイマイン』で忘れられない役をやっていた河合優実、『泣く子はいねぇが』のラストシーン(いいお父さん!)で痺れた板橋駿谷、

『猿楽町で会いましょう』も記憶に新しい金子大地…などなど言い出すと全員になっちゃうけど、やっぱり伊藤万理華だろう。

どう見ても高校3年生にしか見えない。

そして松本監督は本当に伊藤万理華を撮る演出がずば抜けている。

すごい。

 

青春映画を観ると、自分のことを考えて、過去のことに思い馳せるけど、結局それが未来へ繋がっていく気がする。

だから僕は青春映画が大好きなのだが、この映画を観て、これからの「好きなもの」すべてにしっかり向き合っていこうと思った。

ラストシーンの2人のように。

 

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*1:そういや序盤のシーンでアオハライドの原作漫画が出てくるのもニクい。あの映画が大好きだ。キラキラしている。

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*2:そして、それに気付くのはいつも後からなのかもしれない。

*3:この映画でも言えていない人がいるしね。個人的には、「言えない人」の視点の方が好みなのかもしれない。

*4:劇中でも思いっきり小説出てくるので間違いなくそうでしょう。ちょうどいいタイミングで脚色しまくりの実写版が出たおかげで予習になったという。。

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映画『花束みたいな恋をした』~どこにでもある話だと思える人が羨ましい

『花束みたいな恋をした』めちゃくちゃよかったですねー。

いつも通りネタバレしつつ殴り書きを。

 

hana-koi.jp

 

この映画、何より完全に2人を「勝者」として描いている前半が効いていると思う。

正直、観ているときは最初「恵まれている2人が、運命のように出会って、あっさり結ばれただけじゃねえか」と思ってしまった。思ってしまった。

 

有村架純演じる絹と、菅田将暉演じる麦。

絹は惜しげもなくブログ用のラーメンの写真を撮れるし、久しぶりに会った人に「こいつ誰だったっけ」と思うくらいにデートしまくりだし、数合わせで西麻布の怪しいカラオケ店のような気がしないカラオケ店にも出入りしている。

麦は「自分がストリートビューに映りこんでいる」ことをクラスメイトに伝えて回るし、ちょっと気になっている子に誘われれば、その子以外誰も知り合いがいないカラオケパーティにも突撃する。

ビビるくらい自分を持ってるし、揺るぎない自分でいる人たちなんだなと感じた。*1

そんな2人が居酒屋で対峙するシーンの麦の最初の挨拶が「好きな言葉は、“バールのようなもの”です。」ってもう参りました以外の感情が思いつかない。

全能感あふれているような、圧倒的勝者の2人の話。

雲の上の交差点の話。

 

そして、いかにもなカルチャー固有名詞が次から次へと出てくる。

出てきた本や漫画については全くの守備範囲外(かろうじて柴崎友香くらい)なので特に言うことはないが、映画に関してはあーあの時代っぽいなあなんて思い出す。2015年1月時点の直近で観た映画に『自由が丘で』『毛皮のヴィーナス』を出してくるセンス。*2

 

ウディ・アレンの「私を会員にするようなクラブには入りたくない」*3じゃないけど、頭抱えたくなるほど逃げ出したくなる映像だった。

これで、自分が生きている日本が舞台じゃなければそれこそ『ビフォア・サンライズ』のように楽しく観られるのだろうけど。

 

ただ、始まってしまったあとからの落差がズドンと来る作りになっている。

こちらが勝手に勝者と思っていた2人は、生活するために夢をいったん置き去りにしたり*4、就活にのめりこんだりする中で「普通」を追い求めてしまう。

普通になるのが難しいと思ってしまう。

 

あんなに勝者だった、間違いなく勝者だった2人が、あの全能感が、どんどんなくなっていく。

あの映画が面白くて、あの本が面白くて、そんなことだけで、特別で、よかったはずなのに、どこにでもある「みんなこうだよ」になっていく。特に麦。

そこが観ていて一番きつかったかもしれない。

 

なんかこう書くと、山戸結希監督作『溺れるナイフ』みたいだな。

全然違う話なのに。

 

「みんなこうだよ」理論で諦めることが悪だと言っているわけではなく、この2人に「みんなこうだよ」理論は無理だった、ということなのかもしれないなんて考えた。

「みんなこうだよ」理論でうまくいった経験がある人は多いと思う。でも、あのファミレスのシーンで、あの画を見せられて、うまく行くと確証を持って言える人が果たしているのか。

あのとき、運命的なものを感じてしまったからこそ、「みんなこうだよ」理論に縋れない。

考えれば考えるほど、せつない。

 

結果的に、始まりと終わりを描き切る作品になっているなあという感じだけども、2015年から2020年をさまざまなカルチャーと歩いてきた人間にとっては、そのカルチャーと自分との向き合い方を振り返らざるを得ない作品だろうと思っている。

何のために映画を観ているのか、本を読んでいるのか、テレビを見ているのか、ラジオを聴いているのか。

やるべき仕事に熱心に取り組んだ分、無の表情でパズドラをするのと何が違うのと問われると難しい。

優劣なんてあるのかなあとか。

誰かと歩幅を合わせるためにやっているだけならそれこそ必要ないものだよなあとか。

考えすぎですかね。

 

この映画に「自分もそうだった」と言える人が羨ましい。

どこにでもある話だと思える人が羨ましい。

いまだに僕は、どこにでもないことであってほしいし、自分はそうなりたくないと思っているから。いろんな意味で。

 

どっかに花束落ちてないかな。

というか花束って用意するものだな、そういえば。

 

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*1:ここでノレない人がいるのは分かる。自意識との葛藤がないから。だからこそ強いのであるけれど。

*2:ホン・サンス監督をチョイスするセンスに心躍った。『毛皮のヴィーナス』はチネチッタで観たのが懐かしい。

*3:©アニー・ホール

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*4:それが”いったん”にならない仕組みも怖い。

今年観た映画ベストテン2020

 

新型コロナウイルス云々の影響もあり、今年映画館で観た映画は大幅に減って70本。ここ5~6年で断トツで少ない。

ただし、各配信サービスで観た2020年公開or配信開始の映画を合わせると110本にまで増えるので、この110本からベスト10を選んでみた。

 

10位 アンカット・ダイヤモンド

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とにかく、変な映画。伏線回収などなく、唐突に訪れるラストはインパクト大。

口八丁手八丁だけで乗り切るクズ野郎をイキイキと演じるアダム・サンドラーが凄い。

 

 

9位 ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

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普通の人の5、6年を2日で駆け抜ける青春コメディ。プールのシーンが特に好き。

視野が狭かったのはあいつらなのか、自分なのか。タイトル通りスマートに見せている。

 

8位 もう終わりにしよう。

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妄想の中ではいくらでも踊れる。これといった山場もないのに、なぜかずっと見ていたくなる。

 

7位 アンダードッグ 前編

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静かに1人のボクサーの日常を見せる序盤からの自然な広がり方が好き。

前編はほぼほぼ勝地涼が演じる宮木の独壇場。あの状況で宮木に賭けたトレーナーを演じるロバート山本もアツい。

 

6位 WAVES/ウェイブス

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この手の映画の「定番」から意図的に離した作りにトバされる。カニエの”I Am a God”かかるシーンは忘れられないな。

 

5位 佐々木、イン、マイマイ

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佐々木!佐々木!佐々木!佐々木!

佐々木たちがいる学校は男子校じゃないのに、なぜか男子校を思い出す。

 

4位 エクストリーム・ジョブ

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韓国映画も面白いのがたくさんあった1年だったけど、一番バカ笑いしたのはこれ。

 

3位 ジョジョ・ラビット

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戦争シーンの魅せ方、人としての在り方、すべてをコメディから繋げるからこそ刺さる。

愛しかないラストシーンは強烈。

 

2位 アルプススタンドのはしの方

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野球の様子が一切映らない野球映画。負け続けている我々に贈られているように感じる。

 

1位 サヨナラまでの30分

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何より、1本の映画にできそうな青春のきらめきを1曲流す間に見せきるOPが凄い。完璧。

歌詞通り、「ただ全部を、抱きしめていたいと思った」映画。間違いなく。

 

 今年は洋画が公開延期だらけでほとんど劇場で見られなかった分、邦画がすごく豊作だったなあと。

10本選ぶのにめちゃくちゃ迷ったので、泣く泣く落とした10作は以下。

・パラサイト 半地下の家族

・初恋

・ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから

・グッド・ボーイズ

・はちどり

思い、思われ、ふり、ふられ

・僕が好きな女の子

とんかつDJアゲ太郎

・泣く子はいねぇが

・燃ゆる女の肖像

 

そして例年書いてるドラマ部門。

といっても意外と今年観てないのよね。『マンダロリアン』S2も『今際の国のアリス』S1も観ている途中なので、胸を張って言えないけども面白かったのはこの辺。 

・愛の不時着(Netflix

・梨泰院クラス(Netflix

有村架純の撮休(WOWOW

・MIU404(TBS)

・姉ちゃんの恋人(関西テレビ

・ザ・ボーイズS2(Amazon Prime

 

来年はもう少しドラマ観る時間を取りたいな。

もろもろ、いい年になりますように。

映画『とんかつDJアゲ太郎』~DJ映画じゃなくても青春映画は成立する

めちゃくちゃ久々にブログ書く。

なぜなら映画『とんかつDJアゲ太郎』がめちゃくちゃ素晴らしかったからだ。

 

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映画『とんかつDJアゲ太郎』の監督・二宮健といえば、前作『チワワちゃん』も最高だったけれど、今回もカマしてくれた。

 

実は、『とんかつDJアゲ太郎』原作は全く読んでいないので、今回は純粋に映画のココが好きだったというのをひたすら書いていきたい。

※がんがんネタバレしていきます

 

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まず、何層にも連なる要素からなる構成が面白い。

仲間との青春映画であり、音楽映画でもあり。親子の絆・家族の絆の映画でもあるし、片思い映画でもある。*1

そして何より、いつも最初に失敗してしまう我々に贈る”ワンサゲン映画”でもある。

たくさんの要素を2時間の中に詰め込んで大円壇で終わらせてくれる、奇跡のような映画だった。

 

特に、この映画の出演者のあれこれを知った上だと「失敗しても逃げない」ことの大切さは酷く身に染みるし、失敗したところが本当のスタートなんだなと強く感じた。

ちゃらんぽらんだったあいつも、本当にやりたかったことで一回失敗することで、そしてその失敗に向き合って立ち上がることで、目の色が変わる。

この映画も、いろんな失敗の上でもう一度立ち上がった作品だ。*2

 

 

もちろん、話の要素を盛りだくさんにする代わりに切ったんだろうなという部分もある。

たとえば、DJの技術的な解説。

DJ機器の役割だとか具体的な使い方、そもそも「何を以って上手いと言えるのか」について一切触れられていない。

なので、連動するように、主人公のアゲ太郎が「技術的にどう学んで、変化したのか」の説明が一切描かれない。

 

ここを補完するためなのか、前半のアゲアゲ動画の”酷さ”*3から師匠のDJオイリーが入って本格的にDJにのめりこんでるくだりの画がとてもスムーズに流れるように作られていた。

だからか個人的にはそんなに気にならなかった。

 

 

あと好きだったのは、というか二宮監督の映画は毎回音楽が素晴らしいのだが、今回も選曲がすごくよかった。

冒頭で流れるIncredible Bongo Band”Apache”からエンドロールの最後でかかる皆さんご存じ”Runaway Baby”まで大音量で聴くにふさわしい曲が並んでるのが最高。

 

ちょっと悪意ある使い方としか思えないMaroon5の”Sugar”には笑ってしまったが、やっぱり特筆すべきは”Heaven Is a Place on Earth”でしょう。

 

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近年だとブラック・ミラーの「サン・ジュニペロ」のエンディングで多くの人をブチ殺しに来たこの曲が、めちゃくちゃ重要な2シーンでかかるのだが、観ながらずっと「わかるよ、わかる!!」となった。当然。

これぞ青春。

 

そしてファースト・エンディングでかかるのがまさかのThe Naked And Famous ”Higher”って正気かよ!と。

これはさすがに想像していなかったので、映画館の座席に座りながら「すげえ…」となってしまった。

大好きな曲を予想外の場所で大音量で聴けたときってこんなになるんだな人間って…。*4

 

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キャスト陣も演出も好みだった。*5

二宮監督の過去作でも出てきた「唐突な妄想」「唐突なタイムラプス」「クラブなのになぜかカメラ目線で同じフリを踊る客」に加え、

個人的に好きだったのはいきなり出てくる英語ナレーション。どういう頭してたらあの発想が出てくるんだ。

中盤のクラブシーンでの的確な演出の結果、途中からとんかつを揚げることとDJでフロアをアゲることが同じだと心の底から信じることができたから楽しく観られたんだろうなって。

 

 

あー書くだけ書いて満足した。

やっぱり映画っていいですね。

 

 

*1:後述する通り、DJ映画ではないところがミソ。

*2:これは力強く言いたい。

*3:DJすらしていない!オズマとかポリスじゃないんだから!

*4:ちなみにThe Naked And Famousはめちゃくちゃいい曲しかないのでみんな聴こう。

一番好きなのはやっぱりこれ。

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*5:マジで一瞬しか出てこない一ノ瀬ワタルとか、不要不急なカメオ出演とかも良かった

今年の映画ベストテン2019

今年映画館で観た映画は101本。

これに加えてNetflixの今年公開の新作オリジナル映画も11本観ているので、計112本から選んだ今年のベストテン。

 

去年から本数が減っているように見えるかもだけど、とにかく今年は旧作観たなあと。

新作・旧作観た本数なら圧倒的に去年より観てるはず。

けど、ベストテン選ぶならやっぱ新作だよね。

 

10位 ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた

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9位 マリッジ・ストーリー

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8位 EXIT イグジット

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7位 劇場版 そして、生きる

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6位 ブルーアワーにぶっ飛ばす

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5位 愛がなんだ

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4位 バーニング 劇場版

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3位 魂のゆくえ

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2位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

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*1

1位 チワワちゃん

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ここ数年で一番悩んだかもしれない。

アベンジャーズ/エンドゲーム』を入れるかどうか迷ったんだけども、なんか今の自分のモードはそっちじゃないなあという感じで外した。

ちょっとエモい作品に寄りすぎている気もするけど、そういう映画でイケているの多い1 年だった気もするし、いいんじゃないでしょうか。なんて。

 

で、今年はドラマもいろいろ観たんで特にアガった5本…ではなく6本*2を順不同で挙げておくと

日本テレビ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』*3

Netflixストレンジャー・シングス』シーズン3

Netflix『全裸監督』シーズン1

Netflix『セックス・エデュケーション』シーズン1*4

Netflix『このサイテーな世界の終わり』シーズン2

Amazonプライム『ザ・ボーイズ』シーズン1

*5

 

来年も楽しい映画やドラマをいっぱい観たいものです。

というか、去年末に今年はブログ書きたいとかほざいときながら全然何も書いてないので、来年こそは…。

 

*1:Twitterの「彼らが託した/俺は皆が見た夢なんだ」はこの曲からの引用。

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*2:選びきれず。

*3:森七菜演じる堀部瑠奈の「ガルムフェニックスだぁ〜!」マジ最高!これは伝えておきたい!!

*4:年明けのシーズン2が待ちきれない!!

*5:2020/01/05追記

後になって見返すとこの2作品考慮に入れてなかったなあと今更後悔し始めたのでしれっと挙げておくと

BSスカパー『I''s』

Amazonプライム『モダンラブ〜今日もNYの片隅で〜』シーズン1

映画『チワワちゃん』が良かった件。

今年の映画もいろいろと見始めているが、『チワワちゃん』が素晴らしかった。

 

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時制をぐちゃぐちゃにしながら、フレッシュな演出(EDM!)とクラブミュージックで揺らしにかかる前半から、各人の証言から「チワワちゃん」についてドラマ的展開で掘り下げていく後半まで、すごく見応えがあった。

その証言も各人で全く違うことを言っていたり、いかにもミスリードっぽい発言が最後までスルーされたりするので、「あっ、これ主題は犯人探しじゃねえな」というのを演出だけで見せて行くのも、なかなかチャレンジングだけど成功していると思う。

 

何より、チワワの栄光とそのセンスを証明するかのようなダンスシーンで流れてくるのがPale WavesのTelevision Romanceだというこのセンス!*1

一瞬だけ流れる場面も含めて3回劇中で流れるが、そのどれもがインパクトを残している。

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あと、地味なところだけど、Instagram、LINEとしっかり現実のSNSの名前をしっかり出してそのやりとりをしっかり画として見せてくれるのがすごい真摯だなと。すごく作り込んでるのにSNSが架空でガッカリするパターン、邦画にありがちだし。

 

 

映画を観た後に、岡崎京子氏の原作漫画も拝見したが、原作も凄く読み応えがあった。1994年の作品とは思えないくらい、今見ても色あせない。2019年に読んでも、古臭いと思う感情がない。*2

また、映画自体も原作の主題をしっかり理解した上での肉付けが多いのも認識できた。まず、このメンバーがなぜ団結していったか、としての600万→パーティシーンの追加。

あと、映画後半の各自のインタビューシーンは、原作ではかなり唐突に放り込まれる印象が強いのを補完するために「なぜインタビューをするに至ったのか」その理由づけとしての栗山千明演じる編集者の使い方もそうかな。

 

他にも細かい部分でいろいろな差異があるが原作と大幅に違うところといえば、村上虹郎演じるカメラマン・ナガイのキャラクター造形だろう。

原作では手慣れなゆるーいプレイボーイだった彼を、映画では見た目はそのまま、純粋にチワワに片想いする男に置き換えている。*3

短編漫画を長編映画にバージョンアップするにあたり、片思いしている相手をひたすら見つめる彼の視線が、この物語に新しい深みを与えていると思う。

彼が浅野忠信演じるサカイといるチワワに話しかけに行くシーンは「お願いだから無事に終わってくれ!」と思わざるを得なかった。あと、ポスター持って帰るシーンも最高だった。

 

他のキャスト陣もとにかくよかった。おそらく(年齢的に)今後はもうこういう役はできなそうな門脇麦横綱相撲。*4

そして、チワワちゃんを演じる吉田志織の存在感。裏表がないのか、あるのかイマイチよく分からない感じが巧く出ていた。だからこそ、後半の証言シーンで翻弄されまくった。まんまと。

極め付きは今日本でクズい若者をやらせたら断トツナンバーワンの称号をほしいままにしている成田凌*5

門脇麦と、ほぼ初めて2人で向き合うあのシーン、本当に気持ち悪かった。本当に。

 

あと、原作でも唐突にラストに出て来て物語の綺麗にクロージングさせるクマ役を松本穂香が演じているが、ほんの数分の出番で、このチワワちゃん含む集団の総括をしっかりやり切っているのはなかなか熱かった。

 

そしてエンドロールで爆音で流れる『僕らの時代』。

もしかしたら、この映画を見て「何も解決していない」「ただただよく分からない映像を見せられただけ」という人もいるかもしれない。

一言こう言いたい。「そもそも、我々の毎日って未解決事件だらけじゃないっすかね?」

 

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*1:去年のサマソニでライブも観たけど演奏がとても沁みた。ほとんど曲知らなかったのに。

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*2:流石に言い回しとか、「モデル」の例として描かれているポスター画像とかは時代を感じますが。

*3:そして、原作での立ち位置は原作ではチョイ役だったハラダにほぼそのまま託している。これも上手い改変。

*4:直近だと『ここは退屈迎えに来て』でもそうですけど、この人は本当に嫉妬している役が巧い。話の本筋を逸らしすぎないくらいの嫉妬。

*5:ここは退屈迎えに来て』『スマホを落としただけなのに』を参照。